ペシャワール会中村哲医師アフガンで銃撃されて死亡

0806篠島 Wed, 4 Dec 2019

この、ニュースは既にご承知の通りで痛恨の念を禁じ得ません。
私も10年以上、ささやかながら支援させて頂き、日本での講演会では
2度ほどお会いしておりました。2008年にも同会の日本人スタッフで
現地で支援活動中の伊藤和也氏も武装集団に拉致され死亡しています。
その後は日本人としては中村医師一人が現地に残り、洪水と旱魃で
失われた農地の回復事業に務めてきましたが、先頭に立つ無私の活動で
アフガンの人々の生活再建に尽くして、今ではおよそ50万人程の人々が
定住農地で生活できる程の成果をあげて、さらなる農地の回復事業に邁進
されており、現代の行基菩薩ともいえる方でした。(本人はそんな自覚
はなくて、難民化したアフガンの人々の生活再建になれば、良かっただけだ、
と思います)
72歳でした。送られてくる活動レポート(会報)ではまだまだ志半ばでは
なかった、と思われて全く残念です。
私は現代に於ける「偉大な菩薩行」を実践している方として尊敬も
していましたが、まことに残念無念です。
イスラム信者は自分たちの大切な支援者まで抹殺したのですが、
歴史的にまだ新しいイスラム教では未だ時代に沿った宗教改革
が行われないまま、グローバルな現代に至っている事が、こんな
事件が続く一つの要因だろうと考えていましたが、とうとう、自分に
縁のある中村氏の身の上に起きてしまいました。
記憶の有る方も有るかもしれませんが、若松港を舞台にした小説
火野葦平作「花と竜」(1952年~1953年)は読売新聞で連載された
長編ですが、その主人公は玉井金五郎(実名)で、夫婦して身体を張って
若松港の港湾荷役業界と労働者を混乱と抗争から組合化を実現して
これを収束させた、というほぼ実話と言われる小説ですが、主人公
玉井金五朗の長男が著者火野葦平で、父親をモデルにしたのですが、
その孫に当たるのが中村哲医師です。
弱い立場の人々を放ってはおけない志は祖父に似ているのかもと、
私は感じていました。篠島益夫