山スキーレポート

2613畠山 Sun, 31 May 2020

26期の畠山です。
新型コロナ感染による緊急事態宣言が全国に発令されたこともあり、今年の山スキー
は通常よりも1か月半早く、4月中旬で終了しました。ゲレンデスキーは2月の野沢合
宿が最後になってしまい、いささか消化不良の感が有ります。
宣言解除に伴って先週からトレイルランを始めました。専ら自宅近くの標高993mの米
山を海から往復しています。今年の山スキーのレポートを送ります。登山前日と下山
後のコメントを載せました。
 
12/7赤倉山(2141m)
半年ぶり、スキーシーズンが始まります。
3シーズン、ゲレンデ含めて100日ほど履いたスコットのブーツがボロボロになったの
で、ダイナフィットのブーツに変えました。新しいブーツは更に軽量だが、ちょっと
幅が狭い。カタログの数値で判断したのだが実際に履くと感覚が違う。
自分が着る服は着た時の感覚を大事にしているのでネット販売で買うことが無いのだ
が、山用のブーツは田舎に住んでいると店頭販売が無いのでこれがなかなかできな
い。
十分な積雪があるかどうかわかりませんが、積雪が不十分ならば、登るのをやめて温
泉入って帰ります。
それもまたよし。
池の平スキー場の駐車場で20cmの積雪で予想したよりも大分少ない。登っても積雪量
が増えることはなく、スキー場のトップまで。ここより上は藪だらけでスキーになら
ない。
本日と、7月のトレラン時に撮ったほぼ同じ場所での写真を添付します。
野尻湖が見えますね。足慣らしにちょうどいい感じでした。
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12/28焼山(2400m)
暖かい日が続いて雪が解けてしまったので3週間振り。
先週日曜日は米山海岸からの米山、季節外れのトレランをしていました。米山海岸か
らは遠く遥かに白馬岳が見えます。これを知っている人はいない様でネットを探して
も見当たりませんが、カミさんが発見してくれた冬の景色の一つです。
ようやく池の平スキーもオープンし、私は明日焼山に行きます。
頂上直下のためにアイゼンとピッケルも持っていきますが、積雪は少なく溶岩台地は
藪の中だと思うので、これを使うことはないでしょう。
快晴の下、3時間半林道を歩いて溶岩台地の末端の1200mまで。
ブーツが狭く足が悲鳴を上げる。頑張って慣れよう。ここから上は藪だらけ。林道途
中からの阿弥陀山と烏帽子岳、水蒸気を上げる焼山の写真を添付します。年末年始の
ドカ雪を期待するが、今年は無理かな。
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1/11焼山(2400m)
今週も雪は殆ど増えていませんね。12月中旬で時間が止まったよう。標高が低いス
キー場はオープンできていません。直江津でも2mの積雪が有った、私が山スキーを始
めた頃の昭和の時代に戻りたい。
明日も焼山。藪が雪で埋もれて林道終点から溶岩台地に上がれるとよいのですが。
スーパーファットスキーの出番ではないので、少し細めのセンター幅106mmのゲレン
デで使っている板で行きます。
珍しく先行の方が居て溶岩台地の入り口までトレースがあった。2週間前より50cmぐ
らい積雪が増えたかな。それでも溶岩台地の下部は藪が多く、先行者はここで引き返
した模様。上に行くほど木が少なくなり白い斜面が増えてくる。1900mまで登った。
昨年より少し低い。積雪量は昨年より1mぐらい少ない。
それでもそこそこのパウダー滑降が楽しめた。夕方から驟雨で束の間の晴れ。
溶岩台地での一コマと焼山頂上の写真を添付します
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1/18昼闇山(1841m)
今週も雪は殆ど増えていませんね。
先週焼山に登った時に隣に見えた昼闇山の稜線が白かったので、今週はこちらに。
ただ、白い稜線に達するまでに藪でギブアップするかもしれません。
アケビ平にはスノーモービルの痕。新雪が積もった時に遊んだみたい。今日は爆音が
無く静か。雪が少ないので昼闇谷は水流が覗き割れており、未だ滑れない。頂上から
北に延びる尾根を登るが、細尾根で少々のアップダウンが有る。数日前の雨は山でも
雨だったようで、これがクラストしその上にあられが積もっていて、これが不安定で
どんどん足元が崩れる。1606mピーク手前の急登が登れず。スキー担いで膝ラッセル
で登る気にもなれず、ここまでとする。藪が多く滑降中何度も小枝の平手打ちを食ら
う。阿弥陀山の写真を添付します。
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昨年はヒマラヤ襞が美しかったが、今年は襞になっていませんね。黒いところが目立
ちあまり美しくない。
 
1/25昼闇山(1841m)
今日は4月上旬の気温だったそうですが、明日は冬の気温に戻るようです。今週も昼
闇山。記録的な小雪。この辺ではあまり行けるところが有りませんね。クラスト斜面
の上に新雪が積もっているでしょう。
雪崩に気を付けて行ってきます。
先週よりは少し積雪が増えて雪山らしくなった。クラスト斜面の上に新雪が積もって
いる。足元の新雪はそんなには崩れないので先週よりは登りやすい。先週引き返した
1500mからの急登はスキー担いでアイゼンで行く。膝上のラッセルで所々落とし穴が
あってなかなか進めない。1650mでギブアップ。1月の昼闇山はなかなか登らせてくれ
ない。
通常は雪が多くて昼闇谷を渡ることが出来ると北西側の尾根を登ることが出来るのだ
が、こちらの尾根よりも登りやすい。こちらは細く急で登りにくい。
隣の高松山源頭が真っ白で垂涎の斜面だが、こちらも下は沢が割れていて、今年は沢
沿いの滑降が出来ない。
阿弥陀山の写真を添付します。先週よりは綺麗
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2/8高松山(1725m)
今週は何時もの冬に戻って直江津は僅かに白くなりました。妙高では70cmぐらい積
もったようで、久しぶりのセンター幅142mmのスーパーファットスキーの出番です。
それでも沢を埋めるほどの積雪ではないでしょう。小雪で行ける場所の選択肢があま
りなく、今年はすべて笹倉温泉と隣の焼山温泉からの入山ですね。明日は吹雪模様な
ので、雪崩に気を付けて行ってきます。
久しぶりに吹雪の中を登りました。
新田山を過ぎて沢に降りるところで崖のトラバースが有るのですが、如何にも雪崩そ
うなので、新田山までとしました。ここのパウダー滑りに登る人が居ますがメロウな
斜面で迫力に欠けるかな。
焼山温泉近くを歩いていると登ってくる外国人がいてしばらく英語で会話していまし
たが、ドイツ生まれの糸魚川の住民だそうで流ちょうな日本語でした。新田山頂上の
一コマを添付します。
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2/24高松山(1725m)
暖かい日が続きましたが、明日の山は吹雪。今年最後のパウダーになるかも。雪崩に
気を付けて行ってきます。
二週間前にたどり着いた新田山を過ぎて崖のトラバースを下り、一ノ倉谷の台地に降
り立つと、林道には橋が無く一ノ倉谷は割れていて、谷の雪壁の登り返しが大変そう
なので、ここまでとする。今年は谷を渡るルートが使えないな。一ノ倉谷は下部がル
ンゼ状になっていて、雪が多いと高松山西側の1787mピークからパウダー滑降が
楽しめるのだが。
新田山中腹ではスノーモービルの集団が遊んでいた。一ノ倉谷台地の写真を添付しま
す。
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2/29雨飾山(1963m)
北面からの雨飾山は大きな沢を渡らないので渡渉することはないのでは。山は50cmぐ
らい新雪が積もっているでしょう。雪崩に気を付けて行ってきます。
例年ならば雪に埋もれている幾つもの小さな沢の水流が覗いていて、これを避けなが
ら登る。
スネぐらいのラッセル。1472mピーク手前の台地に上がると雨飾山が見える。真っ白
な垂涎の斜面。
後ろを振り返ると鬼が面山。尖がっている。ラッセルで疲れたので本日はここまで。
体力の低下を痛感。以前はピークまで行けたと思う。
滑降は、今年最高のパウダー。新雪を蹴散らしてどんどん飛ばす。
根知の銘酒、男山を晩酌のために買って家路についた。
雨飾山と鬼が面山の写真を添付します。
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3月7日 雨飾山(1963m)
先週に続いて明日も雨飾山。
先週よりは頂上寄りの1600mの台地までは上がりたいが、昨日と今日に新雪が積もり
今週もラッセルがきつそう。雪崩に気を付けて行ってきます。 
北西側からの雨飾山は、1472mピーク手前の細いリッジの雪庇の真上を通過するとこ
ろがあるのだが、昨日の強風で大きく張り出した雪庇がいかにも崩れそうなのでここ
までとした。
結局先週と同じ到達点。先週ならばここのリッジを通過できたと思うが、体力が持た
なかった。
雨飾山は長野県側の小谷温泉から登るのが一般的。新潟側から登る人は居ない。
登りの林道でシュプールの痕が見えたが、先週の私のだったみたい。
海谷山塊の尖峰の岩壁に抱かれるこちらの方が私は好きだ。
ラッセルが楽だった分、先週よりは浅いパウダー。
1472mピークからの糸魚川方面とシュプールの写真を添付します。
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3月15日 雨飾山(1963m)
明日も雨飾山。
沢が割れているであろう先週、先々週の北西谷からの尾根ではなく、梶山新湯まで
延々林道を歩いて、夏道がある薬師尾根を登ります。ここは梯子が有ったりして急な
尾根。2回ほど滑っています。
本日は南岸低気圧の影響で雪が積もっているでしょう。雪崩に気を付けて行ってきま
す。 
薬師尾根は急で細いところがあり、山スキー向きではない。途中のアルミ梯子は露出
しており今年の小雪を実感。
1300m過ぎの急斜面からスキーを担ぐ。膝から腿ラッセル。
1600mから笹平1800m間の白い斜面の滑降のために長々林道歩いて急斜面を登ってきた
が、これでは雪崩そう。
安全第一。1500mまでとした。
滑降は先週の北西尾根の方が楽しい。こちらは尾根が細くテクニカルで大胆なターン
が出来ない。
ここを滑る人は居ないだろうな。薬師尾根上部からの雨飾山北面と、林道からの鋸山
の写真を添付します
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3月29日 八海山(1778m)
3年ぶりの八海山。
関東で大雪の予報。ここも南岸低気圧の影響で雪が積もっているでしょう。
雪崩に気を付けて行ってきます。
しんしんと雪が降る中を登る。
思ったよりも多くの積雪で、深い処では膝ぐらいのラッセル。
センター幅86mmの春用の板で来たが、142mmのスーパーファットでも良かったみた
い。
低気圧による不安定な雪なので、急な白い斜面は幾つもの雪崩の痕が。800mの所で引
き返した。
1268mピークからは八海山の岩峰群を眺めることが出来る。雪の状態が良ければ右側
の頂上直下からの滑降が可能と思うが。
 
4月4日 黒菱山(1949m)
上越高田の桜が満開になりました。
観測史上最も早い満開となりましたが、花見は自粛です。
明日は、黒菱山の通称乙見ルンゼの滑降を狙いますが、ここまでのアプローチが長
い。
小雪の今年は、黒菱川が渡れないかもしれません。
雪崩に気を付けて行ってきます。
矢代川第三発電所まで林道を歩き、燕尾根1134m迄登り、黒菱川に向けて滑降
し、黒菱川を渡ってハンノキ平に上がるのだが、予想通り黒菱川は割れていて渡渉と
なった。
行は濡れずに済んだが帰りはブーツがずぶ濡れに。
ハンノキ平からは左側に乙見ルンゼ、右側に乙見尾根の雄大な白い風景。
1700mより上は新雪、クラストで、乙見尾根の急斜面はクトーでは登れないので
スキー担いでアイゼンピッケルで行く。
黒菱山からは、火打山新建ドーム北面のルンゼ群が見える。
デブリだらけの乙見ルンゼではなく、乙見尾根右側の白い斜面を滑ることにする。
ここも結構急で、ジャンプターンで下る。
乙見尾根右側の斜面は、危険なので滑らないようにとルートガイドに書いているが、
真っ白い斜面の誘惑に駆られてここを滑る。盛大にスラフが発生し、自分で起こした
雪崩に巻き込まれないように注意する。
ハンノキ平と黒菱山頂上からの火打山の写真を添付します。12時間ワークで疲れま
した。
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4月12日 妙高山(2454m)
花冷えの日が続き、山はうっすらと新雪が積もりました。明日は妙高山。 
営業を終了した杉ノ原スキー場の真ん中から三田原山経由で登ります。
通常ならば笹ヶ峰から登りますが、最後の滑降はゲレンデにしたいと思ったので。
明日の天気はイマイチなので、三田原山だけで帰るかもしれません。
杉ノ原スキー場から三田原山に登るのは23年振りか。コロナ後の世界を考えながら
黙々と登る。
三田原山手前の頂上に到達すると妙高山本峰が望める。南シュートにシュプールが見
える。
三田原山から大正池への滑降ですれ違ったが、スプリットボーダーで、モナカ雪で苦
労したとのこと。
やや右側の南シュートは何度も滑ったし、左側の岩に挟まれたルンゼも3年前に滑っ
たのでその間を滑ることにする。
本峰への登り返しはスキーを担ぐ。
半分ぐらい登ったところでガスに巻かれて視界が無くなる。
本日はこれまで。モナカ雪は滑りにくい。スキー場の中の雪はまずまず。
晴れている時に撮った三田原山からの妙高山の写真を添付します。
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コロナの克服には長い時間がかかるでしょうしその後の世界の状況は大きく変わるで
しょう。
それまでご自愛を。