絶海の孤島 舳倉島
1503奥名
Sat, 4 Jun 2022
舳倉島へ上陸の試みは何度か忘れてしまった。舳倉島への定期船は日に往復1便で9:00に出港である。出港するか否かは当日7:30船長が判断して決定する。出港が決まってから金沢の自宅を出たのでは間に合わないので、とにかく港へ行かないといけない。朝どんなに海が静かであっても帰りの海が荒れる予報であれば欠航となってしまう。朝早くのと里山海道(旧能登海浜道路)を飛ばしてきて、何度「欠航」の札を見てがっかりしたことか。
今回は前日赤崎自然歩道を歩いて輪島のホテルに宿泊し、ゆったりへぐら航路へ向かった。これまでのこともあるので出航が決まるまでは安心できない。出航が知らされたときはもちろんうれしさはあったが、長時間船に乗ったことがなかったので船酔いの不安があった。
定時少し前に出航。定員93人だが、座席はせいぜい30人分ほど、あとは船底かデッキにむしろを敷いて思い思いに陣取る。しかし、行きは向かい風でピッチングがひどく、デッキはずぶ濡れになるし、周りでは青ざめてビニール袋を抱えていたり、船縁でまき散らしたりとたいへんなものだった。私は快適そのもの。能登半島の影、近づく七ツ島や水平線を眺めていたが、揺れとしぶきで写真を撮ることはほとんどできなかったことが残念だ。
舳倉島へは約1時間半で到着。
一言で言うと何もない島。周囲5kmで見物する施設もなければお店もない。あるのは1、2軒の民宿と1台の自販機と廃屋ばかり。海女さんが大勢いた頃は賑やかだったのだろうが、今はそれをうかがえるものは島のあちこちに残るケルンだけである。これは海女たちがアワビやサザエをとりに出ているときの各自の目印にしたものだそうだ。
この狭い島には10社ほどの神社がある。