山スキーレポート

2613畠山
Tue, 14 Jun 2022

26期の畠山です。
今シーズンの山スキーレポートを送ります。
グリーンシーズンは、カミさんとのハイキング、トレイルランをぼちぼち楽しみます。
 
山スキーは続けていますが、最近はリゾートなゲレンデスキーを楽しむことも多くなりました。
大人のスキーというやつですね。
青柳さんとの野沢温泉も毎年の楽しみの一つとなりました。
ガツガツではなく、脱力でクルージングしながら飛ばしていく感じです。
 


12月19日黒倉山(1242m)
昨年の今は大雪で関越自動車道で車が3日間閉じ込められましたが、今年はようやくサッと雪が舞ったぐらい。
今シーズンの山スキーをスタートします。
明日は光が丘高原から黒倉山に行きますが、多分雪が足りなくて林道歩きに終始すると思います。
夏に自転車で何回か超えた峠ですね。
 
昨年の半分以下、40cmぐらいの積雪でした。
藪だらけの斜面は滑降不能で、予想通り林道歩きに終始しました。
光が丘高原ではスノーモービルが爆音を轟かせていたのでここまでとしました。
01三田原山からの妙高山 2年前
 
12月28日黒姫山(2053m)
大雪の放送が流れていますが、直江津では数cm積もったぐらい。
山間部は1mぐらいの積雪でしょう。
黒姫山のこのコースは30回ぐらい登ったでしょうか。
毎度のことながら雪崩に気を付けて行ってきます。
 
材木搬送の為に林道は除雪されていました。
先週積もったが流石に雪は少な目で藪っぽい。
1900mまで登りました。
富士山が見える程の晴天で頂上まで行きたかったが、木の風下にできるポケットの為に登るピードが極端に落ちたので。
先週知人が亡くなりました。
彼のことを想いながら登っていました。
カラマツ林の夜明けの写真を添付します。
それでは良いお年を。
02黒姫山登りカラマツ林夜明け
 
1月8日小黒姫山(2046m)
明日はここ数年の懸案の小黒姫山の北斜面。
毎度黒姫山の外輪山までしか行けませんが、溶岩ドームの本峰ともいえる小黒姫山から北斜面の滑降を狙います。
ラッセルが厳しくなかったら行けそうな気がするんですが。
毎度のことながら雪崩に気を付けて行ってきます。
今年の年賀状も添付します。
今年の作品は雨飾山。
深田久弥が、左の耳はぼくの耳、右ははしけやし君の耳と詠んだ、双耳峰の綺麗な山です。
特に北西尾根からが美しい。
ここは登山道が無いので積雪期にしか行くことが出来ません。
夜明けのイメージを想像して版画にしましたが、夜明けにここに達するには2時に登り始めなければならず、実際にこれを見たことは有りません。
 
ラッセルがスネぐらいで大したことが無かったので、小黒姫山まで登ってその北斜面を滑ることが出来るかと思っていたのですが、その北斜面は高密度の藪なようなので小黒姫には行かずに黒姫山の外輪山までとしました。
外輪山の北尾根は藪が少なく、北斜面なので日差しが有っても軽いパウダーで快適。
外輪山での一コマを添付します。
1000mの急斜面の送電線の鉄塔付近では視界が開けて赤倉山を眺めることが出来るのですが、小ピークが幾つも連なって最後が尖がっている形がマナスルに似ていると思いました。
マナスルは、直前の疑似ピークに登っただけの疑惑の登頂が沢山あるようです。最新のロックアンドスノーに書いています。
初登頂や、女子初登頂の日本隊は快晴で間違いないですが、ホワイトアウト時などは間違いが起こるのかもしれませんね。
03赤倉山 黒姫山登りにて
04黒姫山北側
 
1月15日雨飾山(1963m)
先週日曜日は糸魚川のシーサイドバレースキー場でゲレンデスキーをしていました。
ここから眺める雨飾山が綺麗だったので、明日は雨飾山です。
1月に登るのは初めてかも。山寺部落から延々と林道のラッセルでしょう。
1472mピークまでたどり着ければ十分かな。
 
林道のラッセルは大したことが無かったので1472mピークを越えてその先まで行けるかもと思ったのですが、スキーを脱いだら腰まで潜る雪で1472mピークのナイフリッジはいかにも崩れそうなのでここまでとしました。
1月の雪は底なしに潜る。ただ、センター幅142mmのウルトラファットスキーは雪の表面を切り刻んでかっ飛ばすことができる。
極楽パウダー斜面、あっという間に下ってしまいました。
1472mピーク手前から撮った雨飾山と鬼が面山の写真を添付します。
05雨飾山厳冬
06鬼が面山厳冬 雨飾山北西尾根より
 
1月22日米山(993m)
直江津工場で10cm、自宅付近で40cm程の積雪となりました。
昨年は2mを遥かに超える積雪だったので、これに比べると大分少ないです。
積雪が1mぐらいだった10年ぐらい前は米山を滑っていましたが、少し積雪が足りないかな。
藪が多いかもしれないですが、適当に登って滑ってきます。
 
水野部落から林道を歩き、米山の前衛峰805mまで登りました。
ここから一度下って登り返す部分が細く急で雪庇が大きく張り出して通過が厄介なので、ここまでとしました。
雪が無ければ簡単に登れるんですけれど、底なしの新雪では時に十倍ぐらい時間がかかることがあります。
山毛欅林の滑降は快適でしたが、林道をショートカットする南側の沢の中は藪が濃そうだったので、トレース通り林道を流して帰りました。
 
2月5日明星山(1188m)
北京オリンピックが始まりました。
選手の活躍に期待します。
前回の羽生君の連覇の日は、吹雪の野沢温泉でゲレスキーしていました。
次の日に登ったのは明日の明星山。
警報級の大雪らしいなので、頂上には行けないでしょう。
頂上手前に雪壁があるので。一応ここを超すための立山ワカンを持っていきますが。
雪崩に注意して行ってきます。
 
自宅付近の雪が大したことが無かったのでタカをくくっていたのですが、大雪警報は嘘ではなく、山での雪は本当に凄かった。
不安定な丸い雪で視界もなく、明星山の岩壁からの雪崩が起いつ起きてもおかしくない状況だったので、その大分手前の小ピークまでとしました。
スキーを脱ぐと腰まで潜る底なしの雪。
セルフタイマーも撮れなかった。
晴れていれば、ここからの東壁が綺麗なのですがね。
 
糸魚川方面に行くときは海岸通りに車を走らせるのですが、途中に筒石という部落が有ります。
後ろが岩壁、前が海の狭い所に家が建っている所です。
何時も何の気なしに通っているのですが、考えてみれば凄い風景です。
ここの写真も添付します。
ちなみに、筒石の鉄道の駅は土合の駅の様にトンネルの中にあります。
撮り鉄の人が訪れる場所です。
07吹雪の明星山
 
2月13日明星山(1188m)
今週も明星山に行きます。
昨日と今日は赤倉観光ホテルリゾートでゲレスキーをしていましたが、先週の新雪は大分締まった様子なのでラッセルは少ないでしょう。
雪崩に注意して行ってきます。
 
林道のラッセルは殆どなく、昨日のトレースが明星山北西尾根(龍護尾根)手前までついていてラクチン。
トレースはここから北西側に伸びていた。
私はここから龍護尾根を登るために南東側を登っていく。
龍護尾根はやや細く、途中の急斜面はスキー担いで立山ワカンで登っていくが、所々落とし穴が有って難儀する。
私は40年来ワカン派だが、急こう配にも強い最新のスノーシューの方が良いと思う。
頂上にはスノーシューの足跡があった。
昨日、東側から登ったのだろう。
日を浴びて緩んだ雪の東斜面ではなく、パウダーっぽい北斜面を滑降する。
林道を流してあっという間に登り口の岡部落に到着。
ここからの明星山東壁が綺麗だった。
龍護尾根での頂上方面、頂上での一コマの写真を添付します。
08明星山 竜護尾根にて
09明星山頂上にて
 
2月19日菱が岳(1129m)
冬季オリンピック、日本人選手の活躍に沸いています。
彼ら彼女らの挑戦する姿に心打たれます。
一方、自分は仕事や趣味で挑戦しているか、考えさせられますね。
明日は菱が岳、西側の斜面を狙います。
雪崩に注意して行ってきます。
 
登山口の上越市のキューピッドバレースキー場から眺める菱ヶ岳は、妙高山の本峰をスケールダウンした様な感じ。
開始前のスキー場を半分ぐらい登り、林道にトラバースして反対側から頂上に達する。
頂上からの高度感は素晴らしく、スキー場が真下に見える。
下りは西側の沢沿いに滑降する。軽くて潜らない新雪。
スキー場を滑らずに下までパウダーを満喫した。
寒いながらも春を感じた。
頂上での一コマを添付します。
10菱が岳頂上にて
 
2月23日春日山
上越市郊外の上杉謙信の居城の春日山城へ。
豪雪の年だけ滑ることが出来る。今年は豪雪ではないのでギリギリだったかな。能登畠山氏の七尾城が謙信に落とされた後に先祖が住んだ縁の地でもある。信長だったら落とした城の城主関係者は全員切腹だと思うが、謙信の懐の広さを感じる。毘沙門堂下の谷を滑るが、何年か前に大雨で土砂が崩れて木が無くなったので滑りやすくなった。
 
3月5日鉾が岳(1316m)
先月22日に鉾が岳麓の島道鉱泉の御主人が亡くなりました。
ニュースでも報道されていたのですが、雪崩によるものでした。
鉾が岳手前の大沢岳の雪が2kmに渡って北斜面を滑り落ちて麓まで達し、歩いている時にこれに埋もれたと言っていました。
ここは何度も滑っていますが、麓までの雪崩は見たことがありません。
今年の山間部の豪雪の凄さを感じます。
明日は慰霊の登山に行ってきます。
島道鉱泉側からだと斜面が急なので、無理をせずに、雪崩に注意して行ってきます。
 
クラスト斜面上の新雪でスキーアイゼンがダンゴになって登りづらく、スキー担いでアイゼン履くと結構もぐり、予定より登りに時間がかかった。
昼には嵐が来る予報なので頂上に行く時間が無く、1000mの台地までとした。
ここから見えるのは金冠山の尖峰とその左側の真っ白な鉾が岳。
島道鉱泉の御主人のご冥福を祈って手を合わせた。
昨年11月に自転車で島道鉱泉まで行き、鉾が岳をトレラン往復したときに、次は雪の時に来てくださいと笑って見送ってくれたのを思い出す。
約束通りに来たのだけれど・・・
11鉾が岳を望む
 
4月2日 雨飾山(1963m)
3月中旬はドイツに出張していました。ドイツは隣のポーランドに国境を接していてウクライナの緊張感を感じました。
明日は糸魚川根知谷からの雨飾山。
私の定番コースです。
上部は新雪が積もっているので気を付けて行ってきます。
 
雨飾山の北西尾根はクラスト斜面の上に薄く新雪が乗っており、シールでは滑って登れないので早々とアイゼン履いてスキーを担ぐ。
このコース珍しく先行者がいて、彼ら3人は既に雨飾山を超えて隣の薬師尾根を滑っており、声が聞こえる。
晴れているものの気温が低いので、雪崩による轟音が聞こえない。
ブロック雪崩の可能性が低いと判断し、北西尾根と薬師尾根の間の神難所谷を滑ることにした。
東日本大震災が起こった11年前に滑った谷で、下に大滝が有る。
谷の上部では新雪によるパウダー滑降を期待したが,ほとんどがクラスト斜面で、転ぶと止まらないので確実なジャンプターンで下る。
豪雪の今年はデブリが特にひどく何度かスキーを脱いで担いで下る。
大滝は黒いデブリで埋まっていた。
林道に合流しゆるゆるとスキーで流していく。
北西尾根からの雨飾山の写真を添付します。今年の年賀状の版画のシーンですね。
神難所谷の様子も添付します。
12雨飾山 北西尾根より
13雨飾山 神難所沢中間部
14雨飾山 神難所沢下部
 
4月17日 妙高山(2454m)
明日は妙高山。
先週、妙高池の平のビジターセンターがリニューアルしたのでコーヒー飲みに行ってきたのですが、ここから見える妙高山が綺麗だったので。
2年前に登った時に、妙高山本邦の南シュートと左側のルンゼの間の雪渓を狙ったのですが、ホワイトアウトで半分ぐらいしか滑れなかったのでここを狙います。
三田原山からの下りの雪崩に注意して行ってきます。
 
杉の原スキー場の雪は多く、真ん中ぐらいから登った。
冷え込みが厳しくクラスト斜面。スキーアイゼン効かして登っていく。
雷鳥の足跡を発見する。無雪期は火打山頂上付近だけに生息する雷鳥だが、積雪期は尾根沿いに移動するようで、雨飾山で見たこともある。
三田原山まで登ると正面に妙高山本峰が見える。
左のルンゼから2つ目の雪渓の滑降を狙っていたが、雪が上までつながっていない。
スキー場の雪は例年より多いのに、強風で雪が積もらない上部は先週の初夏の様な陽気で溶けてしまったようだ。ということで、三田原山から引き返した。
営業を終了したスキー場は誰もいなく、メロウで快適な斜面を一人楽しんだ。
今日の妙高山(左側 頂上が切れてしまっています)と2年前のガスがかかる前の妙高山の写真を貼付します。
15見た原山より妙高山
 
4月23日 火打山(2462m)
上越の桜は先週満開になりあっという間に葉桜になってしまいました。
明日は北面、岡川部落からの火打山。
毎年のように通っていますが、長い距離なので自転車を使います。
明日の午前中は雨のようです。
昨年も雨でした。春雨です。これも又良し。
乙見ルンゼを登って滑降したいと思っていますが、無理っぽいかな。
気を付けて行ってきます。
 
菅沼部落から矢代川第三発電所への林道のゲートからチャリをこいで行く。
矢代川第三発電所を超えて1134mピークから黒菱川に滑降しハンノキ平に上がると黒菱山と乙見ルンゼが見える。
乙見ルンゼはいつもよりもデブリで汚く、雪崩も起きていたので、黒菱山奥東尾根を登る。
頂上直下200m迄登るもガスにまかれてホワイトアウトになってしまった。
この上の急斜面の滑降に不安を感じたので、ここで引き返す。
ガスに巻かれての滑降に注意しながら下っていく。
結局ガスは出発地のゲートまで続いていた。
火打山北東面の矢代川から登る人は居なくなってしまった。
笹ヶ峰から登る人は多いが、こちらは変化に富んだロングルートで山深い楽しみがあると思うのだが。
メジャーなルートが益々メジャー化するのはネットの功罪か。
乙見ルンゼを有する黒菱山と、ホワイトアウトの中の滑降の一こまを添付します。
16火打山手前より北アルプスを望む
 
5月8日 火打山(2462m)
GWは如何だったでしょうか。
こちらは、家内、帰省した娘と近隣の県でそれなりに楽しみましたけれど。
笹ヶ峰の残雪が未だありそうなので、明日は笹ヶ峰から火打山に行きます。頂上から北面の新健ドームからフヨ谷源頭を滑って登り返します。
昔は体力があって登り返しが苦ではなかったのでかなり下まで滑りましたが、現状を鑑みて適当なところで打ち止めにして登り返そうと思います。
気を付けて行ってきます。
 
昨夜の寒冷前線の通過による降雨で埃が無くなったせいか視界良好。
北アルプスがくっきり、頂上からは日本海の上に佐渡ヶ島が見えた。
火打山は数十回登っているけれど佐渡ヶ島が見えたのは初めてかな。
頂上から火打山北面を滑降、新健ドームまで。
かつてここから4つのルンゼとフヨ谷を滑降し800m登り返したが、今日は登り返しの気合が無いのでここまで。頂上まで200m登り返して緩んでメロウな南斜面を滑降。
皆さんこちらを滑って高谷池ヒュッテに行くが、北面を滑る人はいない。
北面は引き締まった雪で、一段と良い斜面だと思いますけれどね。
頂上と北アルプスの眺望を添付します。
17火打山頂上にて
 
5月29日 蓮華岳(2799m)
丁度1年前にBSプレミアムで放送されていた立山ハンノキ滝氷瀑単独初登攀の録画映像を見ていました。
クライミング系の映画や画像を見るのが好きなんですが、私も沢山の雪山を知っている分困難さも少しは判るわけで、感情移入してしまいます。
傾斜的には氷瀑隣の壁は私の技術でも滑降可能だなとも思っていました。
明日は長野大町扇沢からの蓮華岳。
ここ20年ぐらい最後の山スキーに登っています。
明日は関東では真夏日になるぐらいなので、狭い赤石谷の落石が心配ですが、気を付けて行ってきます。
 
出発地の扇沢で長野市の若者が大沢を一緒に登りたいというので同行することにした。
蓮華岳と針の木岳を登るつもりだが針ノ木峠からそれぞれ往復するのではなく、蓮華からの周回をやりたいのだという。
蓮華岳にダイレクトに登れるバリエーションの大沢を一人で登るのに不安を感じていたらしい。
確かに急斜面になるとアイゼン履いての登高が少々危なっかしい。
実力的には、最大40度の傾斜の大沢上部を私のステップ無しでは一人では登れないだろう。
何とか大沢雪渓を登り切ったので一安心。
自分とは違うアルパインの世界を見たと感謝された(こちらとしては、何時ものところを普通に登っているだけなので、大げさな奴だと思うが)。
頂上を過ぎて大沢の反対側の安曇野を眺めながらの北葛谷源頭は、真っ白く広くフラットな快適斜面。
どんどん飛ばすがここは滑った分だけ登り返さないといけない。
調子に乗って標高差400mも降りてしまった。
その後の登り返しで後悔した。
再度頂上に着いて大沢右股を滑り、雪解けの林道で今日のビールのつまみのイタドリ(長野県人はこれに興味が無いようなので取り放題)を摘まみながら家路についた。
18蓮華岳頂上にて
19蓮華岳頂上より 安曇野側北葛谷源頭
 
今年の山スキーはこれでおしまい。
コロナにかかることもなく無事故で何よりでした。
それではまた。